枝豆

大豆栽培のポイント!育て方編(後半)~大豆はエダマメ?

前回の記事では種まきした大豆が発芽して花が咲きサヤがつくまでを見てきました。
ひとつの大豆には約100個の花が咲き、その2~3割のサヤが付きます。
サヤが大きく育つと、中でお豆が膨らみ大豆になります。
ここからはサヤがいったいどのように育ちながら収穫時期を迎えるのかを見ていきましょう。

大豆栽培シリーズ記事
1.大豆栽培のポイント!種まき編~育てる時期から解説 
2.大豆栽培のポイント!育て方編(前半)~どうやって育つの? 
3.大豆栽培のポイント!育て方編(後半)~大豆はエダマメ? 



たくさん収穫するポイント②
サヤがたくさんついて中のお豆がしっかり膨らむとたくさんの大豆が収穫できます。
その為「サヤの中のお豆をしっかり膨らませること」が、たくさん収穫するポイント②になります。
中のお豆が膨らむのに、たくさんの養分が必要になります。

大豆が成長段階で得た養分がサヤから中のお豆にも伝わることで、中のお豆が膨らみます。
大豆は葉やサヤが太陽の光を受けて光合成することで成長します。
よく晴れる日が多いと光合成が活発に行われるので成長スピードが上がります。

大豆の根には根粒菌という菌がついて、土の中から大豆がに必要な養分を集めて大豆に提供します。
大豆は光合成によってできた養分を根粒菌に提供します。
大豆と根粒菌はこのようにギブアンドテイクで共生しています。

また適度な雨が降ると土の中からの養分を吸い上げやすくなります。
そのためお豆が膨らむ時期にも雨が欲しくなります。
秋雨が降って土に適度な湿り気があると一番良いです。

もし雨がない場合でも根がしっかり張っていると水分や養分を吸い上げやすくなります。
大豆は1本きりよりも別の大豆が近くにあると競い合ってよく根を張る性質があります。
そのため間引きして2~3本にして育てます。
根が良く育っていると根粒菌もたくさんつくのでその分成長が良くなります。
参考記事:大豆栽培のポイント!種まき編~育てる時期から解説

たくさん収穫するポイント②をまとめると、、、
・サヤが付いた後に晴れた日が多く適度に雨があり穏やかな気候であること
・2~3本に間引き根っこを良く生やすこと
になります。


大豆はエダマメ?
開花後、1カ月くらいでサヤと中のお豆は充分な大きさまで成長します。
実はこの状態が枝豆です。
枝豆は成長途中の未熟な大豆を食べるお野菜になります。

なのですべての枝豆はそのまま育てれば大豆になります。
逆にすべての大豆もとちゅうで枝豆として食べられます。
ただし、品種的に枝豆にむくものと大豆に向くものがあります。
目的に沿った種をまいて収穫した方が、育ち方や味わいが合っています。

ちなみに大豆はダイズとして古来から栽培されてきました。
そのダイズを緑色のうちに初めて食べたのは日本人だと言われています。
その後東南アジアに伝わり長らくエダマメとして食文化的に食べられてきました。
最近では欧米でもヘルシーということでエダマメが食べられるようになりました。
それらの国ではエダマメはGreen soybeansですが「Edamame」でも通じるそうです。


エダマメから大豆へ
枝豆の状態からさらにそのまま育てます。
サヤは緑色から黄色っぽくなります。
枝間から大豆になるのに、種まきから枝豆まで育った期間のあと半分くらいの時間がかかります。

中で膨らんだお豆は時間をかけて乾燥しながら熟成します。
サヤが黄色っぽくなると共に葉も黄色くなります。

この時期は台風のシーズンになります。
台風の影響を受けると大きく倒れてしまうことが多いです。
土寄せをしていることで少しでも影響を抑えれられることが期待できます。


大豆の収穫時期
黄色っぽくなった葉は徐々に茶色くなり、やがて葉を落とし始めます。
葉が8~9割落ちるまで待ちます。
サヤも茶色くなりしっかり乾燥します。
サヤも茶色くなり、振るとなかでカラカラ音がするようになります。
サヤを割って中のお豆を見てみます。
楕円形だった枝豆の状態から真ん丸に近い大豆になっているはずです。
しっかり乾燥して、見た目が「大豆」になっていれば大丈夫です。
この状態になれば収穫時期を迎えています。

そのままにしておくとサヤが爆ぜてなかの大豆が飛び出してしまいます。
葉がすべて落ちる頃には初めについたサヤは爆ぜてしまいます。
葉が8~9割落ちて、中のお豆を確認したら一気に収穫します。


枝豆から大豆になり収穫時期を迎えるまでを見てきました。
こうなればいよいよ収穫です。
次に記事では「大豆の収穫方法」について見ていきましょう。

 

大豆栽培シリーズ記事
1.大豆栽培のポイント!種まき編~育てる時期から解説 
2.大豆栽培のポイント!育て方編(前半)~どうやって育つの? 
3.大豆栽培のポイント!育て方編(後半)~大豆はエダマメ? 

 

 

この記事を書いている人

ecプロフィール大輔

三ツ橋大輔
1971年神奈川県横浜市生まれ 
いのちのおやさい農園主

【プロフィール】
大学卒業後、建築設備の現場監督や型枠大工など建築関係の職種に携わる。
初めての工事現場に入ったとき地下二階分の深さまで大きく掘られた地面の穴に地球の痛みを感じ、ショックを受ける。
その後一度日本を離れてアジアの旅に出る。
主にタイ北部の山岳民族の村に滞在し自然と調和した暮らしを経験する。
タイの田舎で目の前で〆たばかりの鶏肉を使った家庭料理を食べ、あまりの美味しさに感動し日本に帰り30歳から料理の世界に入る。
大衆料理を目指し、横浜で中華料理の超人気店にて見習いからスタートする。
見習い時代、前菜で創作した合わせ調味料の味を店舗の総責任者に見込まれ、異例のスピードで鍋のポジションに抜擢され1日100食以上の鍋を振るう日々を送る。
調理場の責任者となり発注業務を行いながら毎日納品される野菜、肉、魚などの生鮮食材がまるで工場製品の様に均一化されていることへの違和感を感じる。
同時に「目の前にある食材はいったいどこでどのようにして育ちどうやって厨房に届くのか?」に関心を持ち始める。
2012年に「人生を変える」と決意する。
2013年オーガニックマルシェにて出店していた新規就農者を通じて「農業」という仕事に出会う。
自然農法の畑を訪れその世界感に魅了され突き動かされる衝動により農の世界へ進むことを決意する。
2014年から2年間、有機農家にて研修する。
2016年『いのちのおやさいfarmette』開園。
2023年 仲間と共に新たに 『いのちのおやさい 』をスタート。

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