芽を出した大豆

大豆栽培のポイント!種まき編~育てる時期から解説

大豆って煮豆にしてもお味噌にしても、納豆にしてもおいしいですよね。
植物性たんぱく質も豊富に含み栄養価もいっぱいです。
丁寧に育てられた大豆は茹でただけで、そのままたべても甘みと風味が濃くてとてもおいしいです!
大豆の粒

自ら種をまいて育てた無農薬の大豆ともなればそのおいしさの100倍以上!!
身体にも心にも沁みる感動的なおいしさです。
とういうわけで大豆を種から育てたい方に大豆の種まきについて解説します。
大豆栽培は種まき大切なポイントがいくつも詰まっています。
それらを行うことで圧倒的に収穫できる大豆の美味しさや量に差が出ます。
それでは大豆の種まきについて見ていきましょう。

大豆栽培シリーズ記事
1.大豆栽培のポイント!種まき編~育てる時期から解説 
2.大豆栽培のポイント!育て方編(前半)~どうやって育つの? 
3.大豆栽培のポイント!育て方編(後半)~大豆はエダマメ? 

 

 

大豆の種まき方法

種大豆

大豆の種まきは畑に直に種をまく方法と苗を育てて畑に植え付ける方法があります。

畑に直にまく方法のメリットは、芽を出してそのまま育つので成長がスムーズです。
また、苗を育る、畑に持っていき植え付ける、などの手間がかかりません。
デメリットは発芽したての双葉が鳥に狙われる可能性があります。
小さなうちは小さな虫の被害もうけやすいです。
また、上手く発芽しなかった箇所があるとその部分が欠株になってしまいます。

苗を育てる方法のメリットは、発芽してある程度の大きさまで育るので植え付け後に鳥に狙われる心配がありません。
小さな虫の被害にもある程度耐えられます。
デメリットは苗を育てる、畑で植え付ける、などの手間がかかること。
植え付けてから根が付く(活着する)までの時間(10日前後)が必要になるので栽培期間が長くなること。

当園では両方の方法を試しましたが手間が少なく順調に育つので、畑に直に種をまく方法で行っています。
いまのところ何も対策をとらなくても鳥に狙われたことはありません。
そのかわり同じ畑で育てるキャベツは鳥につつかれることがあるので、鳥の種類や時期、環境によって異なるようです。
楽に育てたい場合は直まきしてみて、様子をみるのがおすすめです。

 

大豆の種まき時期 

種大豆

大豆を上手に育ててたくさん収穫するためには、種まきの時期は大切なポイントになります。
品種によって異なりますが、ほとんどの大豆は20~25℃の穏やかで暖かい気候でよく育ちます。
暖かい地域のお野菜ですが極端な暑さは嫌います。

いつ頃種をまくかは、気候が違うため各地によって異なります。
品種によって異なりますが平均的には下記のようになります。

北海道や東北などの寒冷地…5月下旬から6月中旬
関東から中国地方などの中間地…6月上旬から7月上旬
四国や九州などの暖地…6月中旬から7月中旬

大豆は品種によって種まきの時期が異なるので、種袋の裏や商品情報にある作型表を参考にします。
ある品種をいつ種まきするのかはその品種の作型表を見るのが最も確実です。
種まきはいつからいつまでと幅がありますが、その間で特によく育つタイミングは2~3回に分けて種まきすることで判断できます。
育ちに違いが出るのでそのなかで一番よく育った日にちがその畑の種まきの最も良いタイミングになります。
経験上の話になりますが、大豆の種まき時期は一度うまく育ったら毎年だいたいその日にちにまくと上手く育ちます。
ただしその年の気候によって異なりますが、ここがなかなか難しいところでもあり奥深くて楽しい部分にもなります。
いい時期に種蒔きできると、ストレスがかからず気持ちよく成長するので甘みが増して美味しい大豆になります。

 

大豆の主な品種

大豆の種まき

大豆の品種選びは上手に大豆を育てる次に大切なポイントです。
大豆と一言で言っても、大豆の中にはたくさんの品種があります。
大豆の品種は農林水産省に登録されているだけでも100種類以上あり、各地で昔から育てられていて登録されていない在来種まで入れると300種類以上もあると言われています。
品種によって粒の大きさや、育つ早さ、サヤの中の豆の数などいろいろな特徴があります。

それぞれの品種ごとに育ちがよく実がよくつく気温や気候が違うので、縦に長い日本では各地に向く品種があります。
代表的な品種は下記になります。

北海道では「とよまさり」
東日本では「里のほほえみ」
西日本では「フクユタカ」

細かい話になりますがこれらの代表的な品種は育成種といい、各種苗メーカーや試験場でよりよく育つようにことなる品種同志を掛け合わせて改良された種がほとんどです。

それに対して、ある地域で昔から育てられている品種も数多く存在します。
これらは在来種といいます。
市販されているものもあれば、市販されていないものもあります。
市販されていない場合は種とりをしている方から購入したり分けていただく方法があります。
その場合大豆は翌々年以降(2年目以降)は極端に発芽率が下がり、ほとんど芽が出ないので気をつけます。
種大豆が必ず前年の秋に収穫されたものであることを確認します。
ちなみに育成種、在来種はどちらも種とりして毎年育てることが出来ます。
このような種を固定種と言います。

育てる大豆の品種がその地域にあっているかどうかは、種袋や種苗メーカーの販売情報から判断します。
その地域で昔から育てられている品種であればその地域の土や気候に合います。

当園では育成種、在来種どちらも育ててきましたが経験上、地域に根差した在来種の方がよく育つ印象があります。
もし大豆の種まきをする畑の近くで在来種の種大豆が購入したり、分けてもらえたりする場合は大いに活用することをおすすめします。
在来種の大豆は育成種よりも無農薬で育てた場合、圧倒的に美味しいと感じます。

種のまき方

大豆の種まき

実際の種のまき方は当園で行っている直に畑に大豆をまく方法をお伝えします。
種まきの手順は下記になります。


1.穴あけ
2.種まき
3.土をかける(覆土)
4.上からおさえる(鎮圧)


まず種まきの深さについてです。
「種の上にかける土(覆土)の厚さは種の直径の3倍」がすべての種まきの基本です。
ただし覆土はフワッとかけた厚さではなく種まきした後、うえから押して抑えた(鎮圧した)あとの厚さのイメージです。
具体的には3~5センチくらいの深さの種穴をあけます。
指の第二関節くらいが目安です。
そこに種大豆を落として、土の表面まで覆土します。
上から鎮圧して種まき完了です。

大豆の種まき

穴の深さは下記にようにします。

土が乾燥している場合、砂質の場合…深め
土が湿っている場合、粘質の場合…浅め

穴の深さは何センチと意識するよりも「覆土の厚さは、鎮圧したあと種の直径の3倍くらい」をイメージしながら開ければ大丈夫です。

鎮圧の強さは下記にようにします。

土が乾燥している場合、砂質の場合…強め
土が湿っている場合、粘質の場合…軽め

鎮圧することで種と土が密着して種が水分を含み、根を伸ばしやすくなります。

大豆の種まき

次に種まき間隔です。
太陽の光や雨水がよくあたり、通気性をよくするために適度な間隔で種まきをします。

具体的には下記の間隔で種大豆をまくのがおすすめです。

土が乾燥している場合、砂質の場合…40cm間隔に4~5粒ずつ
土が湿っている場合、粘質の場合…30cm間隔に3~4粒ずつ

大豆は発芽率がとてもよいのでよほど条件が悪くない限り、まいた種大豆はほとんど芽を出ます。
そのためどんな種のまき方をしても芽をだして育ちますが、適度な間隔で種まきすることで大豆が美味しくなりたくさん採れることが期待できます。

 大豆の種まき

 

大豆の種まきまとめ

大豆の種まきについて見てきました。
大豆の種まきのポイントをまとめると下記にようになります。

・種まきの時期
・品種選び

どちらも初めての人にはもしかしたら難しく感じるかも知れませんが、ネットや本で調べてみると意外と簡単に分かると思います。
ただ品種に関しては種類が多いので、人からの情報を活用したり直感で選ぶとよいと思います。


実際に身の回りにある畑でよく大豆が育っていれば、栽培している人に訪ねて聞くことはとても参考になります。
まさにポイントとなる品種や種まきの時期を知ることが出来るので、上手に栽培できる可能性が圧倒的に増えます。

芽を出した大豆


もし在来種の種大豆がわけてもらえるようであれば、とてもラッキーだと思います。
種との出会いもご縁やタイミングなのでその辺りも楽しんで育てられるとよいですね。

あとは種まきするときに種大豆に「元気に育ってね」と声をかけてあげて下さい。
これが不思議なくらい元気で美味しい大豆が育つ魔法になります。

次に記事からは芽を出した大豆がどういう風にそだつか?どのように手入れをするかを見ていきましょう。

 

大豆栽培シリーズ記事
1.大豆栽培のポイント!種まき編~育てる時期から解説 
2.大豆栽培のポイント!育て方編(前半)~どうやって育つの? 
3.大豆栽培のポイント!育て方編(後半)~大豆はエダマメ?

 

 

この記事を書いている人

ecプロフィール大輔

三ツ橋大輔
1971年神奈川県横浜市生まれ 
いのちのおやさい農園主

【プロフィール】
大学卒業後、建築設備の現場監督や型枠大工など建築関係の職種に携わる。
初めての工事現場に入ったとき地下二階分の深さまで大きく掘られた地面の穴に地球の痛みを感じ、ショックを受ける。
その後一度日本を離れてアジアの旅に出る。
主にタイ北部の山岳民族の村に滞在し自然と調和した暮らしを経験する。
タイの田舎で目の前で〆たばかりの鶏肉を使った家庭料理を食べ、あまりの美味しさに感動し日本に帰り30歳から料理の世界に入る。
大衆料理を目指し、横浜で中華料理の超人気店にて見習いからスタートする。
見習い時代、前菜で創作した合わせ調味料の味を店舗の総責任者に見込まれ、異例のスピードで鍋のポジションに抜擢され1日100食以上の鍋を振るう日々を送る。
調理場の責任者となり発注業務を行いながら毎日納品される野菜、肉、魚などの生鮮食材がまるで工場製品の様に均一化されていることへの違和感を感じる。
同時に「目の前にある食材はいったいどこでどのようにして育ちどうやって厨房に届くのか?」に関心を持ち始める。
2012年に「人生を変える」と決意する。
2013年オーガニックマルシェにて出店していた新規就農者を通じて「農業」という仕事に出会う。
自然農法の畑を訪れその世界感に魅了され突き動かされる衝動により農の世界へ進むことを決意する。
2014年から2年間、有機農家にて研修する。
2016年『いのちのおやさいfarmette』開園。
2023年 仲間と共に新たに 『いのちのおやさい 』をスタート。

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