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長ネギの畑の様子

ネギはどこまで食べられる?ネギの青い部分は捨てずに活用!切り方や美味しいおすすめレシピもご紹介

ネギって美味しいですよね。香りが良くて何のお料理にも合ってあると便利なお野菜だと思います。
僕の農園でも毎年、香りが良くて美味しいネギを育てています。
旬の季節には毎日食べているネギについて「どこまで食べられるのか?」「青いところは?」切り方から美味しい食べ方まで、元料理人の僕がすべてご紹介いたします。
「ねぎ」と言えば関東では「白ネギ」関西では「葉ネギ」を指します。
いのちのおやさいの農園は神奈川県にあるのでここでは関東の白ネギを中心にお話していきます。
主に青い部分のことについての内容になるので関西の葉ネギを使われる方も必見です!

ネギはどの部分を食べるの?

長ネギ

どんな種類のネギでもすべて全部の部分を食べられます。
白い部分はもちろんですが、青い葉の部分まで美味しく食べられます。
調理法によってはなんと根っこまで食べれられます。
部位によって味わいも香りも違うので、切り方や向くお料理も変わってきます。
ではそれぞれの部位による味の違いから見ていきましょう。
ちなみにネギは一番下の根とその上のほんの短い部分が茎にあたり、ほとんど白い部分と青い部分まですべて葉にあたります。
葉の白と青(緑)、色の違いは日にあたると青くなり、日が当たらない土に接した部分は白くなります。
生態的な分類で見るとネギは根菜ではなく、葉物野菜の一種になります。

 

部位によって異なる、甘みと香りと辛み

長ネギのみじん切り2

ネギは全体的にみると根に近づくによって甘く繊維が強く、葉先に向かうにしたがって香りと辛み、歯ごたえが強くなります。
白い部分だけで見ると根っこに近い方が甘く、上の方は柔らかくなります。

白いところの下半分くらいは甘さが強く、実が詰まって繊維質も強いです。
外側の繊維に包まれた内側は加熱するとトロっとするので、お鍋や汁物入れるとよく合います。
その場合はぶつ切りにしてよく火を通します。よく加熱すると中のトロっとした食感と甘さを楽しめます。
みじん切りにすると甘くてフワッとした葱の香りが楽しめます。
白髪ねぎに向く部分で、その場合は外側を細く切って白髪ねぎにして中の黄緑の部分は汁物などに使えます。
焼きネギに向くのもこの部分です。

白いところの上半分くらいは〝香りのよさ〟が特徴。
下半分より繊維が細くなりネギの中で最も柔らかい部分になります。
甘さとほのかな辛みのバランスが良いので、どんなお料理にも万能に使えるいかにも「ネギ」という部位です。
その中でも特にその味わいを発揮するのがやはりお鍋や汁物です。
この場合は斜めの薄切りにしてサッと火を通すようにします。そうすると最もネギらしいよい香りが味わえます。
みじん切りにするととにかく良い香りが楽しめます。
炒め物や丼ものなどいろいろなお料理に向きます。どのお料理にも薄めの斜め切りがよく合います。

青い葉の部分は〝しっかりした食感と強い香り〟が特徴。
葉の内側の白いワタのようなところにはヌメりがあり、葱の種類や季節によって変わりますが生だと辛味があります。
サッと加熱するとサクサクした食感と香り、ほのかな辛みがあり、長く良く加熱すると柔らかくクタッとした食感で辛みはなくなります。
お鍋や汁物にいれる時大きめのぶつ切りや斜め切りにします。
みじん切りや細い輪切りにすると特徴のある香りとシャクシャクした食感が楽しめます。
炒め物にいれる時は大きめのみじん切りやぶつ切りにして始めに油に入れて香りを出して使います。
強い香りを生かして、お肉やお魚の匂いや臭み消しにも活躍します。
また香りをお水の移して料理に使うことも可能な部分です。このあたりは後ほどご紹介します。

最後に白い部分と青い部分の境い目の分岐しているところです。
ここは青い部分のと白い部分、それそれの香りと甘さとほのかな辛みが混在してなかなか面白い部分です。
内側にはフワフワしたワタがありザクザク切っても柔らかく柔らかさもあり、火を通すとトロミもでます。
みじん切りにすると香りが多彩で食感もはっきりします。
汁物やお鍋も良いですが、炒め物に最もよく合います。炒め物にいれる時は短時間で火を通します。
厚めの斜め切りにして、最後の方に入れてサッと仕上げると香りと食感よく仕上がります。

 

香りとおいしさを引き出す、ネギの切り方

お肉ご飯に長ネギ

・香りとおいしさを引き出す、ネギの切り方
白い部分は切り方で香りの出方や味わいに差が出ます。

ネギは繊維が壊れると〝香りとあるときは辛みが強く〟出ます。
繊維と直角方向に数多く切ったり、押し切りすると繊維が多く断ち切られます。
みじん切りでネギの香りを楽しみたい時はこの様に繊維を断ち切る方向や切り方で切ります。香りのよいみじん切りの詳しい切り方は後ほどお伝えします。

繊維を壊さないように切ると〝甘みが引き立ち〟ます。
焼きネギや汁物など繊維と直角方向に大きめにぶつ切りや斜め切りするときは、引き切りにしてスッと切るようにします。
甘みが引き出てネギ特有の優しい甘みが楽しめます。

「押切すると、繊維がブツブツ切れて香りが出る」
「引き切りすると、繊維がスッと切れて甘みが引き立つ」
そんな風に覚えると覚えやすいです。

また斜め切りは香りと甘みがバランスよく出るので万能にいろいろなお料理に使えます。
押切すると香りが優勢になって、引き切りすると香りは抑えめ甘みが引き出ます。
みじん切りも斜め切りを応用することで香りよく美味しい最高の薬味になります。

 

ネギの青い部分はどんな特徴があるの?

畑の長ネギ2

ネギの青い部分の内側には時にヌメヌメしたゼリー状の透明の液体があることがあります。
ちょっと扱いに困りますが、この液体はネギのっまみ成分を多く含み、安心して食べられます。
この液体は収穫時に一番多く、時間が経つにしたがって減少するので鮮度の証しにもなります。
ただし品種によって少なかったり無いこともあり、無いからと言って鮮度が悪いとは一概には言えません。

ネギの青いところは強い香りと辛みを生かして料理全体に香りをつけることが出来ます。
加熱することで、鮮やかな緑色になるので色合いも楽しめます。
では次に、青い部分ならではの調理法をご紹介しましょう。

 

ネギの青い部分を活用したおすすめの調理法

お肉にワケギ

油との相性が良いので炒め物に活用すると持ち味が最大限にひきだされます。
入れる時のタイミングや火の通し方でまったく仕上がりが変わるのでポイントをお伝えます。

香りをお料理全体に広げたい時は始めに油で炒めて香りを出します。
青い部分を大きめのみじん切りかぶつ切りにします。
小さめの方がより短時間で香りが出て、大きめになるにしたがって香りがじっくり出ます。
サッと炒めるお料理には小さめ、長めに炒めるお料理には大きめに切ってください。
サッと炒めに大きめに切ると香りが出きらなかったり、長めに炒める時に小さめに切ると炒めすぎて香りが飛んでしまうことがあります。

どちらにしてもポイントは熱した油に始めに入れること。
中火以上で炒めます。
香りがフワッと立つのが、ベストタイミング。(この工程は生姜も同じ、使う場合はネギと同時に入れます。)
この状態で油に適度にネギの香りが写っているので、次の食材を投入して炒めていきます。
中途半端に長く炒めると色が黒ずんでしい、臭みがでることもあります。

これだけで淡白な味のお料理に、豊かな香りとコクが加わります。
例えば「小松菜としめじの塩味の炒め物」を作る場合で見ていきましょう。

〈材料一覧〉
・長ネギの青いところ
・小松菜
・しめじ
・菜種油
・お塩
・お醤油少し
・胡麻油

材料はシンプル。さあ、作っていきましょう!

〈作り方〉
・ネギの青いところは大きめのみじん切りにする

・小松菜はよく洗ってぶつ切りにする
 しめじは洗って石づきをとりバラバラにする
 どちらもザルで水気を切っておく

・フライパンに油を熱して中火~強火にかける
 あるていど熱したらネギをいれる
※ネギを入れた時ジュっと音がするくらいがベスト

・そのまま火を通したまに大きくかき混ぜる
 フワッと香りが立ったらOK
※これが油に香りがうつったサイン、このあたりは五感で楽しみましょう!
※火が強すぎてすぐに焦げそうなときは一旦弱火にします

・すぐに小松菜を入れて大きく混ぜて全体に油をなじませる 

・そのまま炒めて、水分がほとんど飛んだら
 しめじを入れて少し炒めて
 お水を少しいれ、お塩で味付けして
 混ぜながらそのまま炒めていく

・水分がなくなったら、お醤油をほんの少し入れて
 サッと炒めたら、柔らかさチェック
 小松菜の茎が好みの柔らかさになっていたらOK
※お醤油も香り付けです

・火を中火以下に落としてごま油を適量入れて
 全体に大きくかき混ぜる

これで出来上がり!
お野菜ときのこだけなのにネギの美味しい香りが全体を包んで、驚くほどコクのあるご飯によく合うおかずに変身します。
ぜひやってみて下さいね。

 

一番おいしいネギのみじん切りの仕方

長ネギのみじん切り

みじん切りの方法もいろいろありますが最も香りと甘さのバランスが良い切り方をご紹介します。

・白い部分を適度な長さに切る

・包丁を最後(下)まで切り切らずに、斜めの押し切りで切れ目を入れていく
※包丁を少し立てて刃先をまな板に当てて切ると、最後まで切らずに切れ目を入れられます。

長ネギみじん切りの切り方1

・ひっくり返して同じように切れ目を入れる

長ネギみじん切りの切り方2

・小口から押切に刻んでいく

長ネギみじん切りの切り方3

これで出来上がり!
切り方を変えるだけでこんなに香りが違うのかと驚かれると思います。
お味噌汁や納豆、厚揚げや冷奴などの薬味使いだとはっきり違いが分楽しめます。
バラけにくいので切りやすい切り方にもなります。

 

ネギの旬

畑の長ネギ3

ネギは作型を変えて適切な品種を使えば割と通年栽培できますが、最も旬なのは寒い時期です。
夏のネギも香りが強くパワフルですが、冬のネギは寒さにあたり甘みと香りに奥行きがでます。
農園のある神奈川県では11~3月くらいが旬、そのなかでも12~2月あたりが最も美味しい時期になります。
分けつ葱は3~4月まで美味しく食べられるものもあります。

 

お味噌汁に長ネギ
旬のネギは栄養素がいっぱい。強い抗酸化力があり、血液をサラサラにする成分も含み、貧血も防いでくれます。
皮膚や粘膜を強くして目にもよく、カルシウムも含み、免疫力を上げてくれるお野菜です。

無農薬のネギは良質な栄養素を多く含み、とても美味しいです。
青い葉の部分まで安心して食べられるのでおすすめします。

部位による味の違いや切り方や加熱の仕方によって変わる味わい。
上手くひきだすことで、ネギの香りは人に食べる幸せを感じさせてくれると思います。
ぜひ取り入れて楽しんでみて下さいね。

 

この記事を書いている人

ecプロフィール大輔

三ツ橋大輔
1971年神奈川県横浜市生まれ 
いのちのおやさい農園主

【プロフィール】
大学卒業後、建築設備の現場監督や型枠大工など建築関係の職種に携わる。
初めての工事現場に入ったとき地下二階分の深さまで大きく掘られた地面の穴に地球の痛みを感じ、ショックを受ける。
その後一度日本を離れてアジアの旅に出る。
主にタイ北部の山岳民族の村に滞在し自然と調和した暮らしを経験する。
タイの田舎で目の前で〆たばかりの鶏肉を使った家庭料理を食べ、あまりの美味しさに感動し日本に帰り30歳から料理の世界に入る。
大衆料理を目指し、横浜で中華料理の超人気店にて見習いからスタートする。
見習い時代、前菜で創作した合わせ調味料の味を店舗の総責任者に見込まれ、異例のスピードで鍋のポジションに抜擢され1日100食以上の鍋を振るう日々を送る。
調理場の責任者となり発注業務を行いながら毎日納品される野菜、肉、魚などの生鮮食材がまるで工場製品の様に均一化されていることへの違和感を感じる。
同時に「目の前にある食材はいったいどこでどのようにして育ちどうやって厨房に届くのか?」に関心を持ち始める。
2012年に「人生を変える」と決意する。
2013年オーガニックマルシェにて出店していた新規就農者を通じて「農業」という仕事に出会う。
自然農法の畑を訪れその世界感に魅了され突き動かされる衝動により農の世界へ進むことを決意する。
2014年から2年間、有機農家にて研修する。
2016年『いのちのおやさいfarmette』開園。
2023年 仲間と共に新たに 『いのちのおやさい 』をスタート。

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