ニンニクって、花を咲かせることをご存じでしたか?
ニンニクの花の咲く前の蕾は食感が良くて、香りが優しくてすごく美味しいんです。
料理人から農業者になった農園主がニンニクの花について、おすすめの食べ方や育て方も含めてご紹介いたします。
ニンニクの花の特徴
ニンニクを育てていると春先に花芽が伸びて、先に膨らみができます。

その膨らみがニンニクの蕾、そのままにしておくと白や紫色の丸い花を咲かせます。

ちっちゃいお花が丸く密集していてとてもかわいらしいです。

ニンニクの開花時期と育て方
ニンニクは晩秋の10~11月に種ニンニクを植え付けます。
種ニンニクはニンニクそのものです。
2週間くらいすると発芽してまっすぐな葉を伸ばします。
冬の間は葉は少し枯れたようになり、背丈も変わらずそのまま越冬します。
春になるとふたたび成長を初めて葉を大きくしてふたたび生長します。
4月頃になると葉の付け根からにょきにょきと茎を伸ばし始めます。
この茎がニンニクの芽です。
よく売っているニンニクの芽はまっすぐですが、実際に育ててみると下を向いたアーチ状になります。
茎の先端には蕾にあたる膨らみができて、一か月くらいすると5月頃に開いて花を咲かせます。
ニンニクの花はどうすればよいの?
ニンニクを育てている時は一般的には蕾がついたら茎の付け根から摘み取ってしまいます。
これは花を咲かせるために使う栄養素をニンニクを大きくする方にまわすことが目的です。
せっかくお花を咲かせようとしているのに摘んでしまうのはちょっと心苦しい気もしますね。
でも、摘み取ったニンニクの茎と蕾はとてもおいしく食べられるのです。
ニンニクの芽のおいしい食べ方
ニンニクの茎と蕾だけで作れるシンプルなレシピをご紹介します。
レシピではニンニクの茎と蕾をまとめて、ニンニクの芽と呼びます。
茹でニンニクの芽
1.ニンニクの芽は流水で軽く洗います。
蕾の先の細い部分は硬いので切り落とします。
2.蕾を切りわけて、縦半分に切ります。
茎は食べやすい一口大の長さ(3~4cmくらい)に切ります。
切っている時から良い香りがします。

3.フライパンに切ったニンニクの芽をいれて、水を少量(大さじ2くらい)入れます。

4.中火にかけて沸いたら塩一つまみを回しかけて、そのままフタをして2~3分火にかけます。
※途中水がなくなるようだったら足します。
5.緑色が鮮やかになり、柔らかくなったらOKです。
フタを外して水分がなくなるまで飛ばします。
7.火を止めて、お醤油とごま油を同量入れて余熱で絡めます。
8.器によそって出来上がり!

この茹で方だとニンニクの芽の旨味と香りを逃がさずに仕上げられます。
始めは水の量がつかみにくいかもしれませんが、何度かつくるとすぐに慣れてくると思います。
炒めると蕾の食感が崩れやすいですが、茹でると蕾のふわっとしている優しい食感が楽しめます。
茎もシャキシャキ感が残り、蕾と茎の微妙に違う味わいや食感を楽しめると思います。
ジャンボニンニクの場合は茎は太いので斜め切りにします。
蕾も大きいので4~6等分のくし切りにします。
ジャンボニンニクは花のふわふわ感がより楽しめます。

自分は中華の料理人をしていたので、たくさんのニンニクの芽と触れてきました。
仕入れたものはすべて中国産で香りが思ったよりも強くない印象でした。
ところが畑で育てたニンニクの芽は全く違いとても香りが強く、しかもいい香りなのです。
家庭菜園をやっている方はぜひニンニクを育ててニンニクの芽も食べてみることをおすすめします。
ニンニクを上手に育ててみよう
ここからはニンニクを育てている方、またはこれから育ててみようと思っている方への内容になります。
ニンニクを元気に育てるには品種選びがひとつの大きなポイントになります。
ニンニクにはいろいろな品種があります。
大きく分けると寒地系と暖地系向に分かれます。
寒地系は寒さに強く、代表的な品種はホワイト六片、青森産が有名です。
暖地系は暖かい気候に向き、平戸や嘉定(かてい)、沖縄の島ニンニクなどのいろいろな品種があります。
育てる畑が寒い地域にあるのか、温暖な地域なのかで品種選びをすることが大きなポイントになります。
関東地方は寒地と暖地の中間地点になるのでどちらでも育てることは出来ますが、実際に育ててみると農園では暖地系のほうがよく育ちます。
暖地系の品種のなかでおすすめは嘉定種です。

嘉定種は中国由来の品種で香りが良く、濃い味いが特徴です。
ホワイト六片より一回り小さく、表面が紫色になるものもあります。
若い葉は葉ニンニクとしても食べられます。
葉ニンニクは日本ではあまり知られていないですが、ニラのように炒めるととても美味しいです。
その外にも寒地と暖地どちらでも育てられるジャンボニンニクという品種もあります。
暖地で育てるとニンニクは握りこぶしくらいの大きさになります。
ニンニクの茎も直径1センチくらいになり花は卓球の玉くらい、背丈は1.8mくらいにもなります。


ジャンボニンニクは香りが普通のニンニクより弱いです。
香りが弱くて大きいなら、香りが強い小さい普通のニンニクと変わらないのでは?と思ってしまいますが、ボリュームがあるので薬味というより具材として食べられます。
ホクホクしていて普通のニンニクとは違うおいしさが味わえます。
ジャンボニンニクの花は大きくて紫色でとてもきれいです。
ニンニクは花にもニンニクができる!?
ニンニクの蕾をそのまま育てると花を咲かせます。
花が咲いた後は種ができますが、そのほかにもちっちゃいニンニクのような塊がつきます。
そしてこの塊はなんとニンニクの味がして、ニンニクと同じように食べられます。
農家はニンニクを大きくするために茎と蕾を摘みとりますが、家庭菜園の人はそのまま育てて花を楽しみ、ニンニクと花のニンニク両方を食べるのもよいと思います。
ニンニク豆知識
ニンニクは葉、茎、根のどの部分でしょうか?
答えは、葉になります。
根はニンニクの下についているいわゆる根っこ。
茎はニンニクの芽になります。
ニンニクは植物の分類では、ネギやニラと同じユリ科という種類のお野菜です。
ニンニクの花はちょうどネギでいうネギ坊主にあたります。
ちなみにニラも白くて可憐な花を咲かせます。
同じ種類のお野菜は、同じような性質を持っています。
長ネギの白い部分や玉ねぎも葉の部分になります。
今回はニンニクの花について、育て方や美味しい食べ方も見てきました。
ニンニクは茎や蕾も食べられたり、花にもニンニクができたり面白いお野菜ですね。
また、ニンニクには血行促進や免疫力向上に効果的なアリシン、疲労回復に役立つビタミンB群などのたくさんの栄養素が含まれています。
特にニンニクの芽は抗酸化作用のあるβカロテンやビタミンCを多く含みます。
美味しくて身体に良いニンニクをまるごと楽しみたいですね。
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