春に出回る新玉ねぎってみずみずしくて甘みもありおいしいですよね。
一年中食べることができる普通の玉ねぎも保存性がよくいろいろなお料理に使えて便利なお野菜です。
では、その新玉ねぎと普通の玉ねぎはいったい何が違うのでしょうか?
料理人から農業者になった農園主の目線から解説していきたいと思います。
それぞれの玉ねぎに合わせた保存方法やおすすめのレシピもご紹介します。
それでは二つの玉ねぎについての謎を見ていきましょう。

新玉ねぎと普通の玉ねぎの基本的な違い
新玉ねぎと普通の玉ねぎは同じ?違う?
結論から言うと新玉ねぎと普通の玉ねぎは「同じ」とも言えますし「違う」とも言えます。
どちらもお野菜の種類分けしてとき「玉ねぎ」という同じ種類のお野菜です。
その中での違いは
収穫してすぐのものが「新玉ねぎ」
収穫して乾燥させたものが普通の「玉ねぎ」
になります。
でも、詳しく見るともっと細かい違いがあります。
ではそれぞれの特徴から見ていきましょう。
見た目の違い
新玉ねぎは皮が白くて平べったくて柔らかいのに対して、普通の玉ねぎは表皮がオレンジ色で丸く硬くしまっています。
味わいの違い
新玉ねぎは、みずみずしくて甘みがあり生食でも辛味が少なく、普通の玉ねぎは実が詰まっていて食感がよく加熱すると甘みが引き出てきます。
旬の違い
新玉ねぎが出回るのは主に3~5月、普通の玉ねぎは一年中店頭に並んでいます。
栄養成分の違い
玉ねぎの特徴的なアリシン(硫化アリル)、ケルセチンなどの栄養成分には、どちらも大きな違いがないようです。
玉ねぎの栄養素や効果・効能についてはこちらの記事
新玉ねぎと普通の玉ねぎの細かな違い
同じ玉ねぎで収穫してすぐか、時間が経ったっか、だけの割には、形や味にかなり違いがありますね。
では、新玉ねぎはそのまま置いておくとすべて普通の玉ねぎになるのでしょうか?
そのあたりを詳しく見ていきましょう。

玉ねぎというお野菜について
そのために「玉ねぎ」というお野菜についてお話します。
「玉ねぎ」という一つのお野菜の中には実はいろいろな種類があります。
この同じお野菜の中のそれぞれの種類を「品種」と呼んでいます。
そして品種ごとに、早く育つ品種とゆっくり育つ品種があります。
早く育つ品種を早生(わせ)、ゆっくり育つ品種を晩生(ばんせい)と言います。
新玉ねぎとは
その中で、早生の玉ねぎの収穫したばかりのものが「新玉ねぎ」です。
では、早生の新玉ねぎはそのまま置いておくと普通の玉ねぎにはなるのでしょうか?
答えは「YES」です。
新玉ねぎもそのまま置いて乾燥させると外皮は茶色くなって普通の玉ねぎになります。
でも形が普通の玉ねぎと違いますね?
普通の玉ねぎとは
晩生の玉ねぎを収穫して、乾燥させたものが普通の「玉ねぎ」です。
では、晩生の玉ねぎの収穫したては新玉ねぎにはならないのでしょうか?
ある意味、新玉ねぎと言えなくはないですが、一般的な新玉ねぎとはかなり違うものになります。
それはなぜでしょうか?
早生と晩生の違い
早生と晩生の違いは育ちの速さだけではなく、次のような性質の違いがあります。
早生の玉ねぎは平べったい形をしていて、水分量が多くあまり長い間保存できない。
晩生の玉ねぎは丸っこい形をしていて、水分量が少なく保存性が良い。
それぞれの細かな違い
ということは、早生のいわゆる一般的な新玉ねぎを保存しておくと普通の玉ねぎになりますが、品種的な水分量が多いので晩生ほど長く保存が出来ません。
暑い夏を超す前に食べてしまった方が良いです。
晩生の玉ねぎを収穫したばかりの新玉ねぎは、早生の新玉ねぎよりかなり水分量や甘みが少ないので収穫したてを味わうメリットがあまりありません。
その分保存性が良いので、長く保存できるものは冬を越して翌年の春まで保存できます。
その後も悪くはならないですが、芽が出てくるので冬の間に食べきるようにします。
ちなみに晩生の玉ねぎも収穫したては外皮は白いですが、時間が経つとオレンジ色になります。

保存方法の違いとその理由
新玉ねぎはたっぷり含まれる水分量を保つために、新玉ねぎとして食べたい場合は冷蔵庫で保存します。
常温でも風通しが良いところでは保存できますが、水分が抜けて柔らかさや甘さは弱まっていきます。
普通の玉ねぎは湿気がなければ長持ちするので、直射日光が当た多らないできる限り風通しが良いところで保存します。
ネットに入れて吊るしておくととてもいい状態で保存できます。
また痛みが出たものがあった場合、そのままにしておくと周りにある玉ねぎも傷みやすくなるので気を付けます。
料理における使い方の違い
新玉ねぎは水分量と甘さを生かして、サラダなど生で食べるのがおすすめです。
玉ねぎに含まれる血液サラサラ成分は加熱すると別の成分に変わるので生で食べるのと、血液サラサラ効果が期待できます。
詳しくはこちら
加熱する場合もサッと軽くにすることで、食感と甘さが楽しめます。
普通の玉ねぎは、食感がしっかりしていて加熱することで甘みが増すので加熱料理におすすめです。
サッと加熱するとシャキシャキの食感が楽しめて、よく火を通すことで甘みと旨味が引き出されます。

新玉ねぎと玉ねぎの美味しいレシピ
水分量たっぷりの新玉ねぎと実が詰まった普通の玉ねぎ、それぞれの特徴を生かしたシンプルで簡単、持ち味を生かして美味しく食べれる調理法をご紹介します。
玉ねぎ丸ごと炒め
手に入れば葉つきの新玉ねぎで、普通の玉ねぎでも食感と甘さが楽しめるレシピです。
1.玉ねぎの皮を薄く剥いて、くし切りにする。
葉付きの場合は大きめで食べやすい長さに斜めに切る。
2.フライパンを熱して油を入れて、玉ねぎとあれば葉も一緒に入れて炒める。
3.しんなりしたらお水を少なめで適量入れて、お醤油で味付けする。
4.水分が蒸発して柔らかくなるまで炒める。
まだ場合は水を足してさらに炒める。
5.最後にごま油をひとたらしして大きく混ぜる。
6.お皿によそる。
出来立ての熱々がおすすめ。
豚や鶏のひき肉やキノコを加えてもよいです。
ご飯に乗せても、油と炒めたときの汁がご飯にしみておいしい一品です。
丸ごと蒸し玉ねぎ
玉ねぎの甘さが楽しめる、簡単にできて見た目もかわいい一品です。

1.玉ねぎを外皮一枚だけはがして、よく洗う。
2.根元は残してくし形に8等分の切り込みをいれる。
※小さい場合は4や6等分にする
3.玉ねぎがちょうど入る器に入れる。
4.蒸し器を沸かして、沸いたら中にいれて、中弱火で20分蒸す。
※入れる際火傷に注意します
5.玉ねぎに透明感が出て、フォークがすっと入ればOK。
塩、ブラックペッパー、オリーブオイルを適量まわしかけて、あと2分蒸す。
6.器を取り出して、出来上がり!
熱々でも冷めてもおいしく食べられます。
塩、ブラックペッパー、オリーブオイルに変えて、醤油多め、ごま油で味付けすると中華風になります。
新玉ねぎと普通の玉ねぎの違いのまとめ
新玉ねぎと普通の玉ねぎの違いを見てきました。
どちらも同じ玉ねぎですが、面白いことに細かく見ると違いがありました。
いのちのおやさいでも早生と晩生の両方の玉ねぎを育てています。
5月には新玉ねぎ、6月には普通の玉ねぎの販売をしています。
農薬や化学肥料不使用なので外皮まで安心して食べられます。
土のチカラで育った玉ねぎは生命力にあふれてとても美味しいです。
さらに食べた人が幸せになる周波数で育ちました。
ぜひ食べてみてくださいね。