このおやさいを育てる人 ― ダイスケ
畑でおやさいを育てています。
でも、ただ野菜をつくっているわけではありません。
「いのちを育てている」──
そう思って、毎日、土と向き合っています。
小さいころから、自然がともだちでした。
虫や草花、空をながめるのがすきでした。
風の音、鳥の声、光のあたたかさ。
そんな“目に見えないもの”に、心がひかれていました。
大人になるにつれて、自然から遠ざかるような暮らしも経験しました。
でも、心のどこかでずっと思っていたのです。
「本当にたいせつなものって、なんだろう?」と。
答えは、畑の中にありました。
農薬や肥料を使わない自然の畑に出会い、
いのちの巡りを全身で感じるようになりました。
耕さない土、
見えないところで働く微生物たち。
芽を出すタイミングをじっと待っている種。
人間が「コントロール」するのではなく、
自然と“いっしょに”育てることの豊かさに、
心がふるえました。
おやさいは、地球といっしょに育てる“いのち”。
「いのちのおやさい」は、
そうやって生まれてきたおやさいたちです。
強くたくましいというよりも、
やさしくて、素直で、
自然のリズムそのままのような、そんなおやさいたち。
わたしたちは、
種をまく前に、やさしく祈るように、
“周波数”をそっと転写しています。
それは目に見えない“響き”を、いのちのはじまりに宿すということ。
土とつながり、人とつながりながら、
すこやかに育つように──
そんな想いを込めています。
だからこそ、
このおやさいたちを、
ほんとうにいのちをたいせつに思ってくれる人へ届けたいのです。
畑から、やさしいいのちを。
わたしは今日も、
風の音を聴きながら、
土の上で静かに種をまいています。
自然といっしょに、
いのちのおやさいといっしょに──