世界にはいろんな形や色の大根があります。日本にも地方ごとに形や大きさの違う様々な種類の大根があります。
日本で大根と言えばスーパーなどでよくみかける「白くて太くて立派なダイコン」が思い浮かびますね。
こんなにいろいろな食べ方で大根を食べるのは世界で日本だけだそうです。温かみがあってまさに「日本の野菜」といっても過言ではない存在です。
「でっかくてあると安心感があるお野菜」そんなイメージが大根にはあるのではないでしょうか。
ここではそんな大根のダイエット効果について解説します。
まずは大根の栄養成分から見ていきましょう。
大根はダイエット向きの食材なの?栄養も凄い!
水分が多い大根は栄養はあるのかな?と思う人も多いかもしれません。
実は大根には多彩な栄養成分が含まれています。そしてその成分の働きにはダイエット効果が期待できるものがたくさん含まれています。
では大根にはどんな栄養素を含み、どんな働きがあるのでしょうか?
エネルギーは100gあたり15kcalと葉物並みの低カロリー食材です。
ビタミンやミネラルだけでなく、消化を助ける酵素も含んでいます。
大根に含まれている糖質で太るってホント?
この先は栄養成分の多い皮をつけたままの内容になります。
大根の糖質の量で見てみましょう。
糖質は100gあたり2.7~2.8g、ほかの根菜類より100gあたりに含まれる糖質は少ないですが他の根菜(人参やゴボウなど)より量を食べられますので糖質についてはあまり差がない様です。
大根は糖質が少ないからいっぱい食べても大丈夫、というわけではなく食べる糖質の総量で見ると他の根菜とあまり差がありません。
根菜自体が同じ土の中で育つお芋と比べると糖質が少ないので太りやすい食材ではありません。
しかし、大根のほかの栄養素に秘密があります。
大根は糖質を分解する効果が凄い!
大根には抗酸化作用があるフィットケミカルであるイソチオシアネートという成分が含まれています。
イソチオシアネートはキャベツ、ブロッコリーや小松菜、ワサビなどアブラナ科に含まれています。
そして大根に含まれるイソチオシアネートには脂肪を燃焼させる働きがあります。
厳密にいうとイソチオシアネートそのものではなく、イソチオシアネートの素になる酵素が含まれています。
その酵素はよく噛んだり、切ったり、おろしたりして大根の細胞が壊れることでイソチオシアネートに変化します。
そしてちょっと気に留めたいのは、イソチオシアネートは脂肪を燃焼させる働きがあるので体を動かす運動があってこそダイエット効果を発揮してくれます。
大根+適度な運動=ダイエット効果、美味しく食べて元気になって気持ちよく運動するのがおすすめです。
イソチオシアネートの他にも凄い栄養素がいっぱい!
大根にはさまざまな栄養素が含まれますが、その中でもダイエットに効果が高いものを見ていきます。
大根の皮には水溶性と脂溶性の両方の食物繊維が含まれています。この両方の食物繊維+水分=便通をよくする働きがあります。
水溶性食物繊維は水分とともに便が硬くなるのを防止し柔らかくして、脂溶性食物繊維は便のかさをまして外に出しやすくします。
その両方を含む大根は単体で便秘を解消する効果があります。
カリウムというミネラルは身体の中の余計なものを排出する働きがあります。代謝が上がりむくみの解消に繋がります。
その他にも大根はたくさんの酵素を含みます。
プロテアーゼという酵素はタンパク質を分解してくれます。タンパク質はアミノ酸まで分解されることでエネルギー源になり元気が出て気持ちよい運動に繋がります。
リパーゼという酵素は脂質を分解してくれる働きがあります。脂質を効率よく消化することで効率の良いエネルギーが得られ、こちらも元気に繋がります。
これらの消化酵素はいろいろな食材の栄養素を分解する働きがあるので、酵素は熱に弱いので生や加熱をしすぎない調理法で食べることで消化を助けてくれます。
これでの大丈夫!ダイエットに効果的な大根の食べ方
大根に含まれる酵素は細胞が壊れることで脂肪を燃焼させダイエット効果のあるイソチオシアネートに変化します。
では、いちばん大根の細胞が壊れる調理法は?
そう大根おろしです。
大根おろしが最も細胞が壊れるので、酵素から変化したイソチオシアネートの量が最も多くなります。
こうして生まれたイソチオシアネートは時間が経つとともに空気中に逃げてしまいます。
部分的にみると首の部分より先端に10倍ともいわれるほど多く含まれます。
またイソチオシアネートの元は酵素なので、熱に弱く加熱するほど減ってしまいます。
大根の生育期間でみると若い大根に多く含まれます。
「旬の大根をできるかぎり先端の部分を大根おろしにしてすぐに食べる」のがダイエットには最も効果がありそうです。
ただし大根によっては先端の方は涙がでるほど辛く、首の部分は甘くて美味しいので悩みどころですね、笑。
個人的には美味しく痩せる方が楽しいので、首の部分でも心とカラダのトータル的なダイエット効果は十分あると思います。
おろして食べるお野菜と言えば「大根」なので、そういった意味でも大根はダイエットに向いていると言えます。
大根おろしは多めのお醤油がよく合います。
それをあつあつのご飯にのせて食べるととても美味しいです。
あまり食欲が出てしまうとそれはそれでダイエットにならないですが、淡白な大根おろしにコクとある程度のボリュームが加わって満足感もあるのでおすすめします。
さっぱりしていて食べた後にカラダがキレイになったようにも感じさせてくれます。
加熱する場合はさっと茹でたり、蒸したりして、よく噛んで食べるようにしましょう。
美味しく楽しくダイエット!おすすめ大根レシピのご紹介
大根おろしも良いですが、冬は冷たいですし大根は加熱しても美味しいですよね。
ということで加熱時間を短めにできて、美味しくダイエット効果が期待できる温かい大根メニューを元中華料理人、現農家の僕がご紹介します。
この食べ方だと生だと辛い、イソチオシアネートの多く含む先端の方も優しく食べられます。
ポイントはさっと加熱して、よく噛んで食べるようにするとダイエット効果は高くなります。
フライパン一つでできる「薄切りサクッと大根ステーキ」
汁物や煮物などじっくり煮込む調理法に比べて、加熱時間が短くなるのでダイエット効果が期待できます。
〈材料一覧〉
・大根
・菜種油
・お塩
・お醤油
材料は大根これだけでOK、では作っていきましょう。
〈作り方〉
・大根は皮ごとよく洗い、0.5~1.5cmくらいの薄めの輪切りにする。
・フライパンに油を熱して、輪切りにした大根を並べ
すぐにお塩をしてフタをして中強火で焼きます。
・焼き面に焦げ目がついたら、ひっくり返し
中弱火に火力を落として裏面を焼きます。
・焼き目がつき始めたら、上からお醤油をさっとまわしかけて
少し焼いて裏面にもお醤油の焦げ目がついたら完成です。
出来立てを「いただきます!」
大根のサクッとした食感とお醤油の香ばしい香りがついていれば成功です。
大根は生でも食べられるお野菜なので、火力調整して加熱時間はお好みで調整します。
強火で仕上げれば生っぽく、中火~弱火で作ればある程度火が通ってしっとり感が出ます。
かためOKな人は強火で焼き目をつけて、短時間でさっと仕上げると最も生感をのこしたまま食べられます。
同じ火力で作った場合、お肉に例えると1.5cm=レア、1cm=ミディアム、0.7cm=ウェルダム、0.5cm=ベリーウェル、みたいな感じで仕上がります。
厚みをかえるだけで驚くほど食感と味わいが違います。
お肉のステーキも美味しいですが、この大根ステーキもめちゃくちゃ美味しいです。
楽しみながら美味しくダイエットできるので、いろいろ試してぜひお気に入りの厚さを見つけてみて下さいね。
また大根ステーキは厚みを変えるだけでなく、同じ厚さで火の通し方でも全く味わいが変わります。
厚切りにして途中で水分を少量加えじっくり時間をかけて蒸し焼きにするのも甘みが増してほっくりして美味しいですが、ここではダイエット効果を期待したいので短時間で仕上げるバージョンにしました。
以上の2品は大根本来の味わいが美味しさに直結するので、皮ごと食べても安心な無農薬で新鮮な大根があれば最高です。
その美味しさは食べた人を優しく満たしてカラダだけでなく心までダイエットしてくれます。
ぜひ直売所や宅配で無農薬の大根を手に入れたり、無農薬の家庭菜園で大根を育てている方は試してみて下さいね。
まとめると、大根のダイエット効果を最も高められる食べ方は
一番は「大根おろし」。新鮮な皮付き大根のおろしたてを食べる。先端に行くほど効果が高い。
温かいのがいい場合は、さっと加熱して作る「大根ステーキ」をよく噛んで食べる。
季節の大根って本当に美味しいですよね。
ほかの栄養素とのかかわりを持ちながら、体をキレイにすっきりさせてダイエット効果を発揮する大根の栄養素。
「大根さえ食べていれば太らないでダイエットできる」というわけではなさそうです。
大根にあまり含まれないタンパク質をとることも心がける。
ミネラルいっぱいとって栄養素の吸収のよい体をつくる。
そして欠かせないのが適度な運動。お気に入りの道を20~30分くらいの散歩でもかなり効果的です。
美味しく食べてスリムになれる、大根はダイエット効果を得たい方にとてもよいお野菜です。
毎日の食事を大切にしながら、上手に取り入れると大根は美味しく満足にダイエット効果を発揮してくれる存在になりそうです。
この記事を書いている人
三ツ橋大輔
1971年神奈川県横浜市生まれ
いのちのおやさい農園主
【プロフィール】
大学卒業後、建築設備の現場監督や型枠大工など建築関係の職種に携わる。
初めての工事現場に入ったとき地下二階分の深さまで大きく掘られた地面の穴に地球の痛みを感じ、ショックを受ける。
その後一度日本を離れてアジアの旅に出る。
主にタイ北部の山岳民族の村に滞在し自然と調和した暮らしを経験する。
タイの田舎で目の前で〆たばかりの鶏肉を使った家庭料理を食べ、あまりの美味しさに感動し日本に帰り30歳から料理の世界に入る。
大衆料理を目指し、横浜で中華料理の超人気店にて見習いからスタートする。
見習い時代、前菜で創作した合わせ調味料の味を店舗の総責任者に見込まれ、異例のスピードで鍋のポジションに抜擢され1日100食以上の鍋を振るう日々を送る。
調理場の責任者となり発注業務を行いながら毎日納品される野菜、肉、魚などの生鮮食材がまるで工場製品の様に均一化されていることへの違和感を感じる。
同時に「目の前にある食材はいったいどこでどのようにして育ちどうやって厨房に届くのか?」に関心を持ち始める。
2012年に「人生を変える」と決意する。
2013年オーガニックマルシェにて出店していた新規就農者を通じて「農業」という仕事に出会う。
自然農法の畑を訪れその世界感に魅了され突き動かされる衝動により農の世界へ進むことを決意する。
2014年から2年間、有機農家にて研修する。
2016年『いのちのおやさいfarmette』開園。
2023年 仲間と共に新たに 『いのちのおやさい 』をスタート。