エノコログサ

野菜は草と何が違うの?草は食べられるの?

この記事では「身近にあり大きさや姿が似ている野草・雑草とお野菜の違い」について、無農薬の農業者がわかりやすく解説していきます。

・「お野菜っていったいどうやってできたんだろう?」ということが知りたい方
・畑に生えている雑草について理解を深めたい方
・草とお野菜の違いを知りたい方
向けの記事です。

イタリアンナス


~はじめての家庭菜園シリーズ~
【はじめての家庭菜園におすすめ知識①】
【はじめての家庭菜園におすすめ知識②】

 

お野菜と草は大きさや色など似た部分が多いですが、いったい何が違うのでしょう。
私たちは無農薬でお野菜を育てていますが、毎年畑にはたくさんの草が生えてきます。
とくに夏は少し見ないうちに、草があっという間にお野菜の背丈を抜いてしまうことも多くあります。
お野菜は手入れをしないと虫に食べられたり、病気になったりすることもありますが草は何もしなくても何の問題もなく旺盛に育ちます。
あまりにも草が元気に育つので「草が食べられたらなんてよいのだろう」と思い食べたことがありますが、苦みやえぐみが強くてとても食べにくかったです。
草はお野菜とはどうやらちょっと違いそうです。
お野菜は柔らかくて甘みや旨味があって人間にはとても食べやすいです。
今回はお野菜について草との違いを見ていきましょう。

 

お野菜とは?

クウシンサイ

写真:空心菜(野菜)

「野菜」は「一般的に食用とする草本植物の総称」と定義されています。
草本というのは木ではなく草という意味。
つまりわかりやすく言い換えると、「お野菜は人間が食べるための草系の植物」ということになります。
お野菜は人間が食べるためのもの、たしかにお野菜は人間が栽培していて草は人間が育てなくてもそこに生えています。

 

お野菜はどうやってできたの?

ピーマン

毎日おいしく食べているお野菜はずっと昔からあったのでしょうか。

お野菜と草は同じ草本植物。
お野菜はその中でどの様にして作り出されて、栽培されるようになったのでしょうか。
昔の人は野草の中から食べやすいものを見つけて食べていました。
食べやすい野草があるとまた食べたいと思いました。
そこでお気に入りの野草Aの種を採り、種を蒔いて育て始めました。
すると毎年その野草Aが食べられるようになりました。
ある日、こっちの野草Aとあっちの野草Bの近くに両方に似ているもっと食べやすくて美味しい野草Cを発見しました。
そこで野草Cの種を採り、毎年育て始めました。
翌年、野山で別の食べやすい野草Dを発見し種を採り育て始めました。
同じ畑で野草Cと野草Dを育てていると両方に似ているもっともっと美味しい野草Eが育ちました。
もしかしたら野草は掛け合わさるともっと美味しくかもしれない、と思い野菜Eと別の野菜Fを掛け合わせてみるとさらに美味しい野菜Gが育ちました。
喜んでその野菜Gの種を採って…
………

イエローパプリカ
という繰り返しで野草はなんども掛け合わされてより人間が美味しく食べられる野菜に変化していきました。
現在のキャベツやナス、トマト、きゅうりやスイカももともとは原種とよばれる元の植物(野草)がありそれが人の手により作られました。
お野菜は人間が作り出したと言っても一から作ったのではなく、自然の力を借りて野草から作り出していきました。
お野菜は長い時間をかけて人間と自然が共に作り出した植物です。

 

「草」と「野菜」の意味の違いは?まとめ

メヒシバ

写真:メヒシバ(草)

野に生えていて食べない草本植物は「野草」
野に生えていて食べる草本植物は「野菜」
人が栽培して食べる草本植物は「蔬菜」
と呼んでいましたが、現在は野に生えていて食べる草本植物はあまりないことと、
蔬の字が常用漢字ではないため、人が栽培して食べる草本植物を「野菜」と呼ぶようになりました。

ツルムラサキ

写真:ツルムラサキ(野菜)

自然からしたら同じ植物ですが、食べられない(木ではない)植物を「野草」、育てて食べる(木ではない)植物を「蔬菜」から転じて「野菜」と呼んでいます。

エビスグサ

写真:エビス草(草)


ちなみに草は生えている場所で呼び方が変わります。
「野草」は野山に生えている草。
同じ草が人の管理する住宅地や農地に生えるととたんに「雑草」と呼ばれるようになります。

 

 

森の木

今回は野菜と草の違いについて見てきました。
無農薬でお野菜を栽培しているとお野菜よりも数も種類も多い草が畑には生えてきます。
畑に育つ草は「雑草」。
厄介者にされることが多いですが「草がなければお野菜はなかった」言わばお野菜の大先輩の存在です。
そういう風に考えるだけで結構草に対する印象が変わるのではないでしょうか?
実際、雑草は畑の土を豊かにしてくれます。
雑草の根が畑の土の中いっぱいに広がるとその根の周りにたくさんの微生物が集まります。
微生物たちは根からでる糖分を餌にしてどんどん増えて活発になります。
微生物が活発な土は生きた土。
活発になった微生物たちは土の中の有機物を分解してお野菜も草も吸収しやすい栄養素を出してくれます。
お野菜も草も元気に育つ土ができあがります。
ただ草はお野菜よりも勢いよく育つので、人間はお野菜のまわりの草を刈って、お野菜の日当たりと風通しを確保してあげます。
こうするとお野菜も草も元気に育ちます。
お野菜と草は同じ仲間、共に育つのが本来の姿ですね。

 

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この記事を書いている人

農園主プロフィール写真

三ツ橋大輔
1971年神奈川県横浜市生まれ 
Lucky Three Village代表 いのちのおやさい農園主

【プロフィール】
大学卒業後、建築設備の現場監督や型枠大工など建築関係の職種に携わる。
初めての工事現場に入ったとき地下二階分の深さまで大きく掘られた地面の穴に地球の痛みを感じ、ショックを受ける。
その後一度日本を離れてアジアの旅に出る。
主にタイ北部の山岳民族の村に滞在し自然と調和した暮らしを経験する。
タイの田舎で目の前で〆たばかりの鶏肉を使った家庭料理を食べ、あまりの美味しさに感動し日本に帰り30歳から料理の世界に入る。
大衆料理を目指し、横浜で中華料理の超人気店にて見習いからスタートする。
見習い時代、前菜で創作した合わせ調味料の味を店舗の総責任者に見込まれ、異例のスピードで鍋のポジションに抜擢され1日100食以上の鍋を振るう日々を送る。
調理場の責任者となり発注業務を行いながら毎日納品される野菜、肉、魚などの生鮮食材がまるで工場製品の様に均一化されていることへの違和感を感じる。
同時に「目の前にある食材はいったいどこでどのようにして育ちどうやって厨房に届くのか?」に関心を持ち始める。
2012年に「人生を変える」と決意する。
2013年オーガニックマルシェにて出店していた新規就農者を通じて「農業」という仕事に出会う。
自然農法の畑を訪れその世界感に魅了され突き動かされる衝動により農の世界へ進むことを決意する。
2014年から2年間、有機農家にて研修する。
2016年『いのちのおやさいfarmette』開園。
2023年 仲間と共に新たに 『Lucky Three Village 』をスタート。

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