初夏になると旬の絹さやが出始めます。
色どりがキレイで、香りがあって美味しいですよね。
でも絹さやとさやえんどうって何が違うのでしょうか?
このふたつの違いについて見ていきましょう。
絹さやとさやえんどうはいったいなにが違うの?無農薬農家が解説
さやえんどうの種まき時期は?種まき方法やコツを農家が解説
さやえんどうやスナップエンドウの育て方は?栽培方法のコツを農家が解説
さやえんどうってどんな栄養があるの?期待できる効能まで解説
さやえんどうの下ごしらえとは?簡単な筋とりとおいしい茹で方
絹さやとさやえんどうの違いは?
中のお豆だけではなくさやごと食べるえんどう豆を「さやえんどう」と言います。
「絹さや」と「さやえんどう」は同じお野菜で、「絹さや」は「さやえんどう」の若い状態です。
「さやえんどう」はお花を咲かせたあと実をつけますが、さやがある程度大きくなって薄く中のお豆の膨らんでいない状態を「絹さやえんどう」略して「絹さや」と呼びます。
「絹さや」をそのまま育てると中のお豆はさやがパンパンになるほど膨んで「さやえんどう」と呼ばれる状態になります。
ただし、このあたりは呼び方の違いなので絹さやをさやえんどうと呼ぶ人もいます。
さやの膨らみ具合で呼び方が変わるので、どこまでが絹さやでどこからがさやえんどうなのか境界線は曖昧です、笑
実際に育てている側として私たちは
薄べったいな、と思うものを「絹さや」
それ以上育ったものを「さやえんどう」
としています。
※「絹さや」も「さやえんどう」も同じお野菜なので、お野菜の種類としての総称は「さやえんどう」になりますが、この記事では「絹さや」と「さやえんどう」を分けて書きます。
絹さやとさやえんどうのそれぞれの特徴
絹さやはシャキシャキした食感で爽やかな香りとキレイな薄緑色が特徴です。
料理の色どりやちょっとした味のアクセントとして使われることが多いです。
旬になるとスーパーや八百屋さんなどでよく見かけます。
さやえんどうはしっかり膨らんだお豆の味わいと、歯ごたえのあるさやの食感が特徴です。
「絹さや」も十分美味しいのですが、お豆がしっかり膨らんだ「さやえんどう」の状態は実は一番おいしい食べごろなのです。
深い味わいとコク、それに合わせてボリューム感があるので、色どりではなくそのまま料理のメイン材料として使えます。
市場は「絹さや」の状態が規格になっているので一般的なスーパーや八百屋さんで購入できるのは「絹さや」になります。
では「さやえんどう」はいったいどうしたら手に入れられるのでしょうか?
さやえんどうの購入方法
育てたお野菜を農協や市場に出さず直接販売している、農家さんから購入できる可能性があります。
農家さんが直接持ち込む直売所や直接配送する宅配、オーガニックスーパーなどをチェックしてみて下さい。
宅配の場合は単品ではなくセットのお野菜に入ることもあります。
旬が1カ月(関東地方は5月)と短いので旬の時期にはぜひ手に入れて食べてみて下さい。
きっとその美味しさには新たな発見になると思います。
関連記事:直売所ってどんなところ?無農薬野菜の購入方法をご紹介
さやえんどうを育ててみよう
また自ら育てて食べるという方法があります。
家庭菜園をしている方はぜひ種を蒔いて育ててみて下さい。
ポイントさえ押さえれば難しくなく育てられます。
絹さやの状態で収穫せずそのままにして、中の実がしっかり膨むまで育て収穫します。
ただ育ちすぎると外の皮が固くなるので注意して下さい。
自ら育てたさやえんどうの味わいは感動的ですよ!
関連記事:さやえんどうの種まき時期は?種まき方法やコツを農家が解説
僕は農業に関わりはじめて中の実がしっかり膨らんだ「さやえんどう」の美味しさを知りました。
研修の時に有機農家のお母さんがお昼ご飯に出してくれたのですが、その時の衝撃をはっきり覚えているほどの美味しさに驚きました。
ただ塩茹しただけでしたが、甘味とコクのある味わいが絹さやとは全く違い特徴的でした。
絹さやの爽やかな香りも捨てがたいですが、僕は圧倒的にさやえんどうが大好きです。
ここは好みになりますが、ぜひ一度はさやえんどうを食べてみることをおすすめします。
また無農薬のお野菜はお野菜自体の味わいが濃く味わいがはっきりしているので可能であれば無農薬の「さやえんどう」を手に入れて見て下さい。
その美味しさに驚くと思います。
無農薬のお野菜はシンプルなお料理で美味しく食べられます。
関連記事:さやえんどうの下ごしらえとは?簡単な筋とりとおいしい茹で方
絹さや、さやえんどうの違いを見てきました。
さやえんどうをさらに育てるとグリーンピースや乾燥のえんどう豆になります。
育ちの段階で名前が変わるのである意味、出世魚みたいですね。
「さやえんどう」はさやごと食べるマメ科のお野菜ですが、ほかには「さやいんげん」や「十六ささげ」「三尺ササゲ」などがあります。
これらのさやごと食べるマメ科のお野菜は旬がとても短いのが特徴になります。
旬のお野菜は味が良くて栄養価も高いので、これからの季節ぜひ美味しい「絹さや」「さやえんどう」をいただきましょう!
【さやえんどう関連シリーズ記事】
絹さやとさやえんどうはいったいなにが違うの?無農薬農家が解説
さやえんどうの種まき時期は?種まき方法やコツを農家が解説
さやえんどうやスナップエンドウの育て方は?栽培方法のコツを農家が解説
さやえんどうってどんな栄養があるの?期待できる効能まで解説
さやえんどうの下ごしらえとは?簡単な筋とりとおいしい茹で方
この記事を書いている人
三ツ橋大輔
1971年神奈川県横浜市生まれ
いのちのおやさい農園主
【プロフィール】
大学卒業後、建築設備の現場監督や型枠大工など建築関係の職種に携わる。
初めての工事現場に入ったとき地下二階分の深さまで大きく掘られた地面の穴に地球の痛みを感じ、ショックを受ける。
その後一度日本を離れてアジアの旅に出る。
主にタイ北部の山岳民族の村に滞在し自然と調和した暮らしを経験する。
タイの田舎で目の前で〆たばかりの鶏肉を使った家庭料理を食べ、あまりの美味しさに感動し日本に帰り30歳から料理の世界に入る。
大衆料理を目指し、横浜で中華料理の超人気店にて見習いからスタートする。
見習い時代、前菜で創作した合わせ調味料の味を店舗の総責任者に見込まれ、異例のスピードで鍋のポジションに抜擢され1日100食以上の鍋を振るう日々を送る。
調理場の責任者となり発注業務を行いながら毎日納品される野菜、肉、魚などの生鮮食材がまるで工場製品の様に均一化されていることへの違和感を感じる。
同時に「目の前にある食材はいったいどこでどのようにして育ちどうやって厨房に届くのか?」に関心を持ち始める。
2012年に「人生を変える」と決意する。
2013年オーガニックマルシェにて出店していた新規就農者を通じて「農業」という仕事に出会う。
自然農法の畑を訪れその世界感に魅了され突き動かされる衝動により農の世界へ進むことを決意する。
2014年から2年間、有機農家にて研修する。
2016年『いのちのおやさいfarmette』開園。
2023年 仲間と共に新たに 『いのちのおやさい 』をスタート。